5度目の優勝を狙う明成(高校総体2位)は、同じ失敗を繰り返さなかった。4連覇に挑んだ昨年は、まさかの初戦敗退。八村阿蓮(あれん、3年)、相原アレクサンダー学(3年)など、屈辱を経験したメンバーを中心とし、前橋育英から104点を奪って好発進した。

 3連覇時の中心メンバーだった八村塁(19=米ゴンザガ大2年)の弟阿蓮は、後半は温存されながらも計29得点。「とにかく落ち着いてやろうと思った」と安堵(あんど)の表情。主将の相原も「1年生の時は最高の天国、2年生では地獄。今年はどうなるんだと注目される中で、借りを返したい」と闘志を燃やした。

 佐藤久夫コーチ(68)は、責任や感謝より毎日の練習の苦労があるからこそ、コートに立てることを選手らに試合前に言い聞かせ、送り出した。「普段着では、できたんじゃないかな」。蒔苗(まかなえ)勇人ら1年生4人を含めたベンチ入り全員を出場させ、2年ぶり白星をつかんだ。