体操男子の内村航平(29=リンガーハット)が22日、都内で行われた明光義塾のヘッドコーチ就任会見に出席し、「新技」を披露した。新技とは、体操ではなく教育界の新技のこと。明光義塾が掲げる教育コーチング術「分かる、話す、身につく」の3つのポーズを、美しく決めてみせた。

 生徒に自ら考え、理解を深めるよう導くこのメソッドは「教わるより考えることが力になる」という内村自身の体操観にあてはまる。この日は、いいコーチングの例として、昨年からタッグを組む1年後輩の佐藤寛明コーチとのエピソードを明かした。昨年4月、10連覇がかかる全日本選手権予選は4位と精彩を欠いた。気分が沈んだその日、佐藤コーチがかけてくれたのは「僕は予想していました」というあっさりとした言葉。それが、翌日決勝で力を出せたきっかけになったという。「引き出しやがったな、と思いました。さらっとした一言が、僕の眠っていたものを引き出してくれた」と振り返った。

 今は受験シーズン真っ盛り。受験生に向けて「目標を見失わずにひたむきにやっていけば夢はかなう。不安がなくなるまで、がむしゃらに頑張ること」とエールを送った。