バスケットボール男子日本代表は6日、都内で行われた第14次強化合宿を公開した。FIBAバスケットボールワールドカップ(W杯)アジア地区1次予選の台湾戦を22日に控え、15歳の田中力(神奈川・横須賀市立坂本中3年)らがボックスアウト練習、オフェンスリバウンドの強化などに汗を流した。

 田中力は4日に右足首を捻挫した影響で少し痛みは残るものの「早く代表に入って試合に出たい」と貪欲さを表した。昨年11月の同予選前に初めてA代表の合宿に招集された際は、Bリーグの選手ばかりの環境に緊張し、ドライブで切り込むのも「いいのかな…」と遠慮気味だった。同月の第1戦フィリピン戦では出場メンバーからは外れ、ベンチ後ろの観客席で見守った。改めて台湾戦への思いを口にする。「1月の合宿にも参加したし、今ではだいぶ慣れて思い切ってできる。今回は横浜での試合だし、地元(横須賀)からも近いので、日本代表のユニホームを着て試合に出るところを見せたい」とさわやかな笑顔だった。フリオ・ラマス男子日本代表監督(53)も「ポテンシャルが高い。彼の貪欲さと決断力は15歳とは思えない。ボールを持っていない時の動きの重要性などまだバスケの知識を教えないといけないところもある」と太鼓判を押した。

 また、登録メンバー24人も発表され、NBA経験も持つ田臥勇太(37=栃木ブレックス)が2年ぶりの代表復帰。富樫勇樹(24=千葉ジェッツ)や馬場雄大(22=アルバルク東京)らがけがをしている状況で、ラマス監督は「田臥は経験豊富な選手でフィット能力が高い。他選手のけがの回復が間に合わない可能性も考えてメンバーに入れた」と説明した。

 22日に横浜国際プールで行われるW杯アジア地区1次予選第3戦は、世界ランキング57位の台湾と対戦する。25日の第4戦は同31位のフィリピンが相手となる。日本は同52位。今大会からホーム&アウェー方式となり、第1戦のフィリピン、第2戦のオーストラリアに敗れている日本にとって、第3戦の台湾戦は1次予選突破をうらなう大事な1戦となる。4カ国中3位までが2次予選に進める。