張本智和(14=エリートアカデミー)が金星を奪った相手は中国のエリート中のエリートだった。

 世界ランク1位の樊振東(はん・しんとう、21)は東京オリンピックで金メダルを期待される逸材だ。

 ★15歳で中国代表 11歳で名門の人民解放軍チームの一員になると、14歳の12年に国家2軍(ジュニア代表)に加入し、同年には国家1軍(中国代表)に昇格。すると同年末の世界ジュニアで優勝。15年アジア選手権は男子シングルス、ダブルス、団体、混合ダブルスと4冠の完全制覇を達成した。

 ★挫折 16年リオデジャネイロオリンピックは世界ランク2位ながら代表権を逃した。だが、この挫折をバネにして、その後は中国の最年少記録を次々と塗り替え、昨年世界選手権では男子ダブルスと団体の2冠、シングルスは銀メダルの活躍だった。今月の世界ランクで2位から1位に順位を上げていた。

 ★プレースタイル 張本と同様に、攻撃的なレシーブ鋭い回転をかけたバックハンドのチキータを得意とする。

 ★おデブちゃん 幼少期にポッチャリ体形だったため、今でも中国ではおデブちゃんの意味の「小胖(シャオパン)」というニックネームで親しまれている。

 中国の若き天才と呼ばれる相手を知ると、あらためて張本の偉業のすごさが伝わってくる。