日本大学アメリカンフットボール部が、関西学院大の選手を悪質な反則で負傷させた問題で、日大の大塚吉兵衛学長が3日、公式サイトで「今後の改革に向けて」と題した文書を発表した。

 その中で理事長、学長、常務理事、副学長が、保健体育事務局長、競技部部長、副部長を兼職することを禁止すると発表した。

 この発表を受けて、経営トップの田中英寿理事長(71)は相撲部総監督、大塚学長はラグビー部部長を務めているが、今回の発表の通り、辞任する方向になるという。また日大の理事を務める陸上競技部の小山裕三監督も辞任の方向だ。

 また5月6日の関学大との定期戦で、QB奥野耕世選手の背後から悪質なタックルを仕掛け全治3週間のけがを負わせた、DL宮川泰介選手に反則行為の指示をしたと日大アメフト部第三者委員会から認定された、内田正人前監督について6月11日付で保健体育事務局長兼人事部長の職を解き、7月30日に懲戒解雇処分としたと説明した。

 さらに第三者委員会が、宮川選手と父を大学に呼び付け、口封じをしたと指摘した井ノ口忠男氏が7月4日付けで理事を辞任したと説明。「これ以外に本学職員としての地位を有しておりません」とした上で影響力を排除したと強調した。

 また第三者委員会から形骸化されていると指摘された保健体育審議会について、これまで本学において再発防止策の検討を行ってきた「スポーツ競技部へのガバナンス及び競技部内紛争処理体制等の検討委員会」を発展的に解消することも発表。代わって、外部有識者を含めた委員会組織「スポーツ競技部改革委員会(仮称)」を設置し「保健体育審議会自体のあり方を含めた、保健体育審議会及び競技部のガバナンスに関する改革案等を検討し、順次実行してまいります」とした。

 大塚学長は「私は、教学の責任者として、学生の主体性を尊重し、学生を守る『学生ファースト』の精神の重要性を再認識し、本問題の反省を踏まえ、アメリカンフットボール部、保健体育審議会だけではなく、大学全体としてハラスメント撲滅、学生ファーストの取組みを実行いたします」と宣言。「二度とこのような問題を起こすことのないよう、そして、一刻も早く本学の信頼を取り戻せるよう、私が先頭に立って、本学一丸となって尽力していく所存です」(コメントは原文のまま)と、自らは辞任せず、事態の解決、改善に努めることを重ねて強調した。