3年ぶりの優勝を狙う世界王者の桃田賢斗(23=NTT東日本)が、高校総体3冠の緑川大輝(埼玉栄)を2-0で下し、8強入りした。

手が震えた前日の初戦と比べ、「緊張せず伸び伸びできた」。緩急のきいたショットで終始主導権を握った。それでも「余裕がありませんでした」と苦笑い。高校生相手に「何かを伝えられれば」と臨んだが、決め球を拾われ、不意のショットを決められるなど押される場面もあった。「ディフェンスもいいし、いいショットを打ってくるなと思った。こういう球を打てていたら、僕も(高校)3冠できていたかな」と相手をたたえた。

違法賭博問題の処分が解け2年ぶりに出場した昨年は力を出し切れずに、3回戦(準々決勝)敗退。それから1年で世界王者、世界ランキング1位と圧倒的な実力をつけてこの舞台に戻ってきたが、慢心はない。「1回勝負でどちらか勝つか分からない。向かっていく気持ち、感謝の気持ちを忘れずにやりたい」と1戦1戦、必死に臨む。