JX-ENEOSサンフラワーズが、トヨタ自動車アンテロープスとの決勝を制し、史上2チーム目となる6連覇、史上最多の通算23度目の全日本選手権(皇后杯)優勝を決めた。

第1クオーター(Q)を24-19とすると、第2Q、リバウンドから手にした攻撃機会を、シューター宮沢夕貴(25)が確実にシュートを決めるなどで48-33と突き放す。後半も持ち味の「高さに頼らず、走るバスケ」で勝った。最優秀選手にも選ばれた宮沢は「ディフェンスから速攻でリズムを作れた」とほっとした表情で勝利の喜びをかみしめた。

Wリーグ10連覇中の常勝軍団が、新体制でも強さを見せつけた。今季は先発2人が入れ替わった。大崎佑圭(28)が妊娠のために登録選手から外れ、主将の吉田亜沙美(31)も先発からは外れた。日本代表経験をもつ2人に代わり、けがから復帰した藤岡麻菜美(24)を中心にゲームメークをする中で、チーム全体の雰囲気も変わったと言う。

岡本彩也花(27)は「吉田さんが先発の時は『これをやろう!』とコート内の監督のような形だったけれど、今は違う」と吉田に頼っていた一面もあったことを明かす。「こうした方がいい、ああした方がいいんじゃないかなとか、みんなで藤岡をフォローしよう、試合を作り上げていく意識が強くなった」。

渡嘉敷来夢(27)も「8年間一緒にやってきた2人が抜けて、1年でそれが補えるとは思っていないので、自然とコミュニケーションも増えた」と言う。チームメート同士での意見交換が活発になり、それぞれの責任感やチームに対する思いを再確認。バスケに関することは小さなことでも話題に上がるようになり、練習でも試合でも「大丈夫」「頑張ろう」との声も積極的に掛け合うように変化した。藤岡も「チーム全体で『この1本がんばろう』とかの声も掛け合って、チームがより1つになった。ほっとしたというか、うれしいと思える優勝を味わうことができた」とチームでの勝利を実感。常勝軍団がさらに団結を強くし6連覇を勝ち取った。【戸田月菜】

○…常勝軍団JX-ENEOSは、新布陣でも強さを見せつけた。昨季から先発2人が入れ替わり、PG吉田の代わりに先発する藤岡を支えるためにも、活発なコミュニケーションを通して団結力を高めた。試合中でも「大丈夫」「頑張ろう」と積極的に声を掛け合った。藤岡も「チームがより1つになって、うれしいと思える優勝を味わうことができた」とチームでの勝利を実感し、笑顔を見せた。