2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの競技種目を表すピクトグラムについて大会組織委員会が、1964年(昭39)東京五輪で使用したデザインをモチーフに制作していることが19日、複数の関係者への取材で分かった。

五輪開幕500日前となる来月12日に発表する予定。五輪でのピクトグラムは64年東京五輪で初めて全面導入されて以降、通常使用されるようになった。発祥の地としてレガシーを再現する。

64年版はモノクロでシンプルなデザインだった。20年版は、それをモチーフに多色で展開し、競技ポーズは現代に合わせ修正を加えるものもある。64年には作らなかったパラリンピック版も同仕様で新たに加わる。56年ぶり2度目の開催となる東京だが、64年大会と強く結びつく計画はこれまでなかった。

競技ピクトグラムとは各競技(五輪33競技、パラ22競技)を人型の絵文字で表す視覚記号。会場周辺の案内板やパンフレット、チケット、国際映像にも使われ各大会を象徴するデザインの1つとなる。アジア初開催だった64年大会では、あらゆる言語圏の人でも一目で理解できる「共通言語」で訪日客をもてなそうとの思いから、考えられた。

◆過去の五輪ピクトグラム 各大会、その国を象徴するものをモチーフにしてきた。00年シドニー大会では先住民アボリジニが使用していたブーメランをモチーフにした大会エンブレムと統一感を持たせた。04年アテネ大会は古代ギリシャのキクラデス文明の像。08年北京大会は古代中国の甲骨文字「篆書(てんしょ)体」を元にした。12年ロンドン大会はロンドン地下鉄の路線図、16年リオ大会はリオ市の景観の曲線をイメージした。