令和メダル日本人1号は誰だ!20年東京大会は元号が替わって迎える初めての五輪。誰よりも早くメダルを胸に掲げるアスリートとして“4度目の正直”を狙うライフル射撃の松田知幸(43)に注目した。

過去3大会の五輪も大会序盤に競技があり、メダル第1号を期待されたが、08年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロとも力を発揮できず予選落ちだった。“4度目の正直”となる東京も最初のメダリストとなるチャンスは十分だ。男子10メートルエアピストルの決勝、表彰式の終了予定時間は午後4時30分で重量挙げ女子49キロ級に次いで早い。令和最初のメダリストとなれば、そのインパクトは大きい。17年10月のW杯では241・8点の世界新記録を樹立したが「三宅さんの方がメダルの可能性は高いかもしれないですけど」と謙遜し「第2号でもいい。射撃がピックアップされることが大切。ただ第1号になったら、扱いは大きくなりますよね」と笑った。

10メートルエアピストルは10メートル先にある的を撃ち抜く。最高得点となる10点の円の中心は直径1・1センチほど。パチンコ玉とほぼ同じ大きさだ。極限の集中を保ち、1時間15分以内に60発を撃つ。「究極のメンタルスポーツ」と言われ、一般的には「筋力は必要ない」とされる。ただ松田はリオ以降、ウエートにも力を入れる。週2回取り組み、体重もリオ時から5キロ増の75キロとなり、体の厚みも増した。

「銃は1キロほどしかないですけど、100回ぐらい同じ位置に構え、腕を止めておく。やっぱりそれなりの筋力があった方がいいと感じた。また射撃は努力が結果に結びつきにくい。だけど、努力をしないと絶対に結果が生まれない。筋トレは『努力=結果』という方程式を体験できる。努力は正しいんだと脳に伝達するために筋トレをしている」。今度こそメダルを外さない。【上田悠太】