準決勝でNTT東日本(東京)が、男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(24)らの活躍でトナミ運輸(富山)を3-1で破り、15年以来4年ぶりの決勝進出を決めた。

桃田は今大会、ダブルス2組、シングルスの後の第4試合でエントリー。午前中に行われた準々決勝では三菱自動車京都に3-0で勝利したため、出番はなかった。準決勝では1-1の第3試合で今季新加入の古賀が接戦に勝利して桃田につないだ。「自分がトップシングルで出場していてはチームは成長しない。そういう意味では古賀が勢いを付けて、いい形でつないでくれた。大卒ではあるが1年目ながら勝負どころで」と高校の後輩の活躍に目を細めた。

桃田自身は相性があまり良くない常山幹太との対戦。「上からのショットもいいコースに打ってくる。読みがいい選手」と警戒していた。普段はスロースタートの桃田だが、後輩からバトンを託され序盤から積極的に攻撃を仕掛けた。21-12で第1ゲームを奪うと、第2ゲームは中盤以降、長いラリーを続けて常山のミスを誘った。甘くなった相手のレシーブには高いジャンプから鋭いスマッシュを打ち込み21-16で勝利した。最後は「ヨッシャー」と会場に響き渡るほどの大きな雄たけびを上げ、勝利の喜びに浸った。自身のプレーに関して桃田は「やりにくかったけど、勝ちたかった団体戦。王手で回ってきたので逃げるわけにはいかないという強い気持ちで戦った」と満足の表情で語った。

16日の決勝では男子ダブルス世界ランキング5位の遠藤大由、渡辺勇大組らが所属する日本ユニシス(東京)と対戦する。桃田は「昨年は日本ユニシスに0-3で、自分も試合をせずに負けてしまった。決勝となれば相手も疲れている。気持ちの強い方が勝つと思うので攻め続ける姿勢を忘れずに戦いたい」。団体戦に個人戦以上に熱い思いを抱く桃田がチームを引っ張り5年ぶりの優勝を勝ち取る。