田村先輩やりました! Bシードの国学院栃木が初戦162点を奪って快勝した報徳学園(兵庫)に競り勝ち、3回戦進出を決めた。

同校OBで、W杯でも活躍した日本代表田村優(30=キヤノン)と同じSOの伊藤耕太郎(3年)が魅せた。

7-12で迎えた前半ロスタイム、左ラインアウトモールで相手が寄ってきたところで右に展開、中央付近でボールを受け取ると「前が空いていた」と右中間にすり抜け、ガッツポーズをしながら中央にトライ。試合後「サイン通りでした。いいパスをつないでくれた」と笑顔で話した。

前半14-12とリードして折り返し、後半は互いに攻め込んでは戻される、一進一退の攻防が続いた。最後は自慢の重量FWで報徳学園の猛攻をしのぎ切り、接戦をものにした。

伊藤は今年8月、7人制の海外合宿でフィジーに行った時、隣で練習をしていた日本代表の田村と思わぬ対面。「プレッシャーのかかる状況で練習すると、試合で緊張しない。頑張って」とアドバイスされ、ずっとやり続けてきた。伊藤は試合を振り返り「全く緊張しなかった。最後のFW戦は気力の戦いだと思ったので(BKの自分は)必死に声をかけ、チームを鼓舞した」と冷静に語った。

前回大会3回戦の今年1月1日、報徳学園に17-59で敗れ、8強の夢を絶たれた。組み合わせを見た吉岡監督は「不思議な巡り合わせですね。1年で2度負けるわけにはいかない」と選手に言い聞かせ、リベンジに燃えていた。昨年はノーシードでぶつかったが、今年はBシードで立場が昨年と逆転。「シード校が、ノーシードに負けるわけにはいかない。肩の荷がやっと下りました」とホッと胸をなで下ろした。

次戦は来年1月1日、東福岡と対戦する。伊藤は「高校に入って一番対戦したかった相手」と語った。2大会連続の年越しを果たした国学院栃木は、8大会ぶりの8強を狙う。