02年以来、18年ぶりの日本一を目指した学生王者関学大が14-38で社会人王者富士通に破れた。今季限りで勇退する鳥内秀晃監督(61)のラストゲーム。RB三宅昂輝(3年)の64ヤードのTDランに始まり、QB奥野耕世(3年)がTDパスを決めるなど、相手を慌てさせる場面もつくった。

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鳥内監督の話を聞けば、考えさせられることが多い。「どんな男になんねん!?」を筆頭に、響く言葉。奥野が特に印象に残った言葉として挙げたのが「自分の親、監督、コーチに見られて恥ずかしい行動はするなよ」だった。

マネジャーの橋本典子(4年)は「歩きスマホ、ながらイヤホンをやめさせろ。ケガのリスクもあるし、相手をケガさせることもある。みっともない。人間的にダメだったら勝っても意味ない」と言われたという。マネジャーにもストレートに語る。「この時代には貴重。ありがたいことをズバッと言ってもらえる。きつい言い方をされるけど、まっすぐに怒ってもらえて幸せ。本当に強いチームに立ち向かうときに、力になって戦える」と、選手も裏方も指揮官への感謝は尽きない。【南谷竜則】

◆鳥内秀晃(とりうち・ひであき)1958年(昭33)11月26日、大阪市生まれ。大阪・摂津高時代はサッカー部で全国選手権出場。関学大監督だった父昭人氏(故人)の影響で関学大でアメフトを始め4年時はDBで副将。卒業と同時に米国コーチ留学。86年関学大守備コーチ、92年監督就任。息子3人も同部で指導した。関学大スポーツ振興・統括課所属。16年大学世界選手権日本代表監督。家業の製麺会社も経営する。