体操女子でロンドン、リオデジャネイロのオリンピック(五輪)2大会に出場した寺本明日香(24=ミキハウス)が一度は引退を覚悟しながら、周囲の支えで復帰を決めた心境を明かした。

10日、ツイッターを更新し、「いまは誰がなんと言おうと最後まで諦めずに自分の体操人生を貫き通そうと思っています。そして最後の大きな壁に立ち向かっていきます」などと記した。

寺本は6日の練習で左アキレス腱(けん)を断裂し、7日に都内で手術を受けた。アキレスけんの断裂では全治6カ月が一般的で、五輪選考会となる4月の全日本選手権などへの出場は出場は絶望的とみられていた。

ツイートでは「何の予兆もなく不意の出来事」「切った瞬間、あー体操人生楽しかったな、もう頑張らなくていいんだなって思いました」「『引退』その時はそれしか私の頭の中にはありませんでした」とケガをした直後は引退を決断していたことを告白。ただし、「周りは違った。私が引退への道へ進もうとしたその路線を変えてくれました」と続けた。

術後1日目から倒立バーなどの差し入れがあり、復帰への逆算したメニューを組んでくれるなど、「むしろ引退完全阻止w」と振り返った。その熱い気持ち、行動に心は変わり、諦めずに復帰を目指す気持ちが定まったという。

寺本は昨年10月の世界選手権(ドイツ)で団体総合出場枠獲得に貢献。エース村上茉愛が不在の中で、精神的支柱としても若手を引っ張り、存在感を示していた。五輪3大会出場は確実視され、本番でもけん引役として期待がかかっていた。

東京五輪の選考会である4月からの全日本選手権、NHK杯は出場はできないとし、「東京五輪も出れるか分かりません」とする。可能性として残るのは、まずは6月の全日本種目別選手権に出場することで、リハビリ生活を続けていくことになる。