ショートプログラム(SP)首位で初出場の鍵山優真(16=神奈川・星槎国際高横浜)が2位に入った。

フリー5位の145・93点を記録し、合計231・75点。245・09点のモザレフ(ロシア)に逆転を許したが、日本男子では15年以来の表彰台に立った。同い年の6位佐藤駿(埼玉栄高)と合わせ、来年の日本勢出場枠は最大3枠を確保。そろって来季のシニア転向を予定し、新たなステージで22年北京オリンピック(五輪)を目指す。

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演技を終えた鍵山が、両手で顔を覆った。2人を残して暫定首位。だが、モザレフに逆転を許し、15年宇野昌磨以来となる日本男子6人目の頂点が消えた。表彰台に立った喜びではなく、正直な思いを口にした。

「この悔しさを一生忘れず、来季につなげていきたい。(来季から)シニアに上がる予定なので、今のトップの選手みたいになれるように頑張りたいです」

独特の空気に本来の姿を失った。順番を待つリンク裏。最終組1番手で同い年の佐藤の演技を、モニター越しに見た。「表情から緊張感が伝わってきた」。歓声に迎えられ、挑んだ冒頭の4回転トーループで転倒。回転不足判定も重なり、基礎点9・50点の得点源が3・80点にとどまった。2本目の4回転トーループは立て直したが、最終盤のトリプルアクセル(3回転半)が1回転半となり「もったいないことをしてしまった」と唇をかみしめた。

気持ちを整理し、記者会見では笑顔になった。ジュニア最大の舞台に悔いを残したが、多くの収穫と伸びしろを得た1年になった。1月のユース五輪で金メダルを獲得。3位に入った2月の4大陸選手権では、中国の閻涵(えんかん)の滑りを見て「『速っ』と思った。『本当にこんなに滑るんだ』っていうぐらい滑っている」とシニアのレベルを体感した。

2年後の北京五輪を目指し、来季はいよいよシニアに転向する予定だ。コーチを務める父正和さん(48)も出場した夢舞台へ-。身長158センチの小さな新星が、大きな1歩を踏み出す。