東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(76)が14日、ギリシャ・オリンピアで行われた採火式(12日)出席を終えて東京・羽田空港に帰国した。

新型コロナウイルスの感染拡大下、ギリシャでは聖火リレーが中止になったが「(19日の)引き継ぎ式は予定通りやる。我々の到着式など一連の日程にも変更はない」と断言。国内リレーについても「感染症拡大に対応する措置を十分に講じながら、聖火リレーは予定通り実行していく。IOC(国際オリンピック委員会)と緊密に連携しているので意見は一致している。IOCと我々は『ワンボイス』だ」と力を込めた。

ギリシャで中止になった理由は、沿道の観覧者が有名俳優に殺到したこと。あらためて沿道に応援自粛を求める難しさが浮き彫りとなったが「我々は地元自治体と、そういったことがないように話をしてきた」と自信を見せ、ギリシャの最終日走者となっている野村忠宏さん、吉田沙保里さんに関しては「パナシナイコスタジアムの中で予定通り走ると聞いている」と話した。

米国のトランプ大統領が「1年延期」と発言したことには「安倍総理が(電話会談で)きちんと意見交換されて、透明性ある説明だと評価していただいた、と聞いている。私がトランプ大統領の件で(IOC)バッハ会長と話したことはない」。そのバッハ会長が「WHO(世界保健機関)の助言に従う」と慎重な言葉を発したことについては「専門家の意見を聞くということ。当然のことを言ったまで」とした。

最後に、組織委の高橋治之理事が延期案を唱えていることには「いろんな意見がある。IOCと我々で連携しながら、常に情報交換して対応していく」。その上で「ただ、高橋理事から私は直接お話しをうかがっていない。組織委に対しても何かおっしゃった、ということはないはず。高橋理事は組織委員会の理事ですから。もし何か意見があるのであれば、我々と意見交換をするのが順番ではないでしょうか」と指摘した。