3月15日に決勝が行われる予定だった2020年のF1開幕戦オーストラリアGPだが、3月13日に中止が決まり、関係者は続々とオーストラリアを後にした。

レッドブルとタッグを組みF1に参戦するホンダも、八郷隆弘社長や倉石誠司副社長らが毎年恒例としている現地視察に行く予定だったが、これを中止している。

14日に帰国した山本雅史マネージングディレクターは、オーストラリアGPの中止についてFIAと主催者の判断を支持し、ホンダとしても自粛すべきと考えていたことを明らかにした。

「中止はとても残念です。お客様も楽しみにしていたと思いますし、私としても今までF1に関わってきた5年間で開幕前テストが1番順調だったし、開幕は気持ち良く迎えたかっただけにガッカリですがこれだけ世界中で(コロナウイルスが)問題になっている中で、ホンダとしてもファンの皆さんやエントラントのみなさんの安全と健康を第一に考えて自粛すべきではないかと考えていました。国をまたいで開催されているF1だけにすごく難しい決断だったと思うけれど、正しい決断だったと思うし、ホンダとしてはFIAやFOMの意見を尊重します」

オーストラリアが日本からの入国制限を敷く可能性を考慮し、ホンダは日本から現地に赴く一部スタッフをオーストラリアGPの14日以上前からスタッフをイギリスの活動拠点へ移して待機させるなど、開幕戦に向けた準備を整えてきていた。

「これまでは(現場に来る)スタッフは日本から14日以上ミルトンキーンズで過ごさせて、レースが開催された場合の準備をしてきましたが、ここから先がどうなるかまだ分かりませんから、いったんクリアにしてミルトンキーンズの人間はミルトンキーンズに帰す、日本からイギリス経由でこここに来た人は一度日本に帰す。日本に帰る方が望ましい人は日本に戻して、在宅勤務だとか場合によってはホテルでテレワーク勤務するということを徹底してやろうということをやっています」

3月22日の第2戦バーレーンGP、4月4日の第3戦ベトナムGPも延期が決定し、シーズン開幕は早くても5月3日のオランダGPまでずれ込むことになった。ヨーロッパでの感染拡大を受け、それすら困難で6月のアゼルバイジャンGPが初戦になるのではないかとの見方も広がっている。

「コロナウイルスの影響があろうと無かろうとHRD Sakuraとしては粛々と開発を進めるだけですねもちろん従業員の安全は第一に考えていますが、予定通り開発を進めていって、どこが開幕のタイミングになるかが決まったらチームともしっかりと検討していきたいと思います」(米家峰起通信員)