バスケットボールBリーグの年間表彰式最終日が10日、オンラインで行われ、田中大貴（28＝A東京）が初のMVPに輝いた。4年連続ベスト5に選出された後、MVPの発表を聞いた田中は「大学の時に亡くなった父も喜んでくれていると思う」と話し、さらに「母の日なので、小さいころから応援してくれている母にいいプレゼントになった」と家族に感謝した。

新型コロナウイルス感染拡大により打ち切られた今季は39試合に出場し、1試合平均11・1得点、1・8リバウンド、4・8アシストを記録。リーグ最高勝率でチームを東地区優勝に導いた。日本代表でも12年の初選出後、主力として活躍。複数の役割を器用にこなす。ラマス監督からの信頼も厚く、Bリーグの大河チェアマンも「リーグの顔だけでなく、日本の顔となった」と評価した。

リーグは3月途中で打ち切られ、東京五輪も1年延期となった。「これで目標が達成されたわけではない。リーグは盛り上がったが、世界に通用するためにも、やることはまだあると思う」。9月末に開幕予定の新シーズンも先頭に立って盛り上げ、その先のもっと大きな目標に向け、田中は進み続ける。【松熊洋介】