長岡商が中越との接戦をものにし3-1で勝利し、3年連続9回目の優勝。エース水落彩花(2年)が故障を背負いながらもアタッカーとしてチームに勢いをつけた。全国大会は来年1月5日に東京体育館で開幕する。

水落の右腕から放たれたボールは“ドスン”と音を立て、相手コートで弾んだ。第1セットに強烈な弾丸スパイクをサイドライン、ギリギリに決めるなど8ポイントを奪い、チームに勢いをつけた。「前半は相手も早い攻撃に慣れていなくて、ライト側の切り返しの早い攻撃は有効だったと思う」。しかし中越も粘る。3回のジュースの末、第1セットは落とした。だが伝統の粘りで第2セットから連続3セットを奪取し、V3を決めた。

エースアタッカーとしての代償は大きく、大会1カ月前には右肩を負傷。痛みで肩が水平までにしか上がらなくなった。「筋力アップで(スパイクの)1本1本にかかる衝撃が強くなった」。大会2週間前までバレーができない日が続いた。1週間前の最後の練習試合は7~8割の力で臨み、今大会に照準を合わせた。

今年1月の春高バレーに出場も「何もできず終わった。会場と大会の雰囲気に圧倒され、先輩に勝利を届けられなかった」と初戦ストレート負け(0●2秋田北)を振り返る。「春高の悔しさは、春高の舞台でしか返せないと思うのであとはぶつかるだけ。先輩と1日でも長くバレーがしたい」。水落のまなざしは鋭かった。【飯嶋聡美】