オープン参加の日本代表乾友紀子(29=井村ASク)吉田萌(25=ザ・クラブピア88)組が、ボーカロイド初音ミクとのコラボ演技を初披露した。昨季と同じくノ一がテーマだが、大幅にリニューアルした「忍者SAKURA」で92・9153点。初音ミクが「サクラ、サクラ」と連呼する声にのって、現代の日本を表現した。初音ミクを味方につけて、五輪に向かう。

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デュエットではない。これはトリオだ。乾と吉田が桜吹雪をちりばめた水着で立った。初音の歌声「さくら~、さくら~、弥生の空は~」で泳ぎ出す。TRの規定要素をこなしながら、細かく速い動きを披露。「ニンジャさくらさくら」という初音の連呼がこれでもかと繰り返される。そのたびに2人の演技はペースアップ。昨季と同じ「くノ一」でも内容は激変。ハイテンポのままで泳ぎ終えた。

乾、吉田組×初音ミクの初披露。乾は「ミクちゃんの声が水中でもはえていて、力をもらって泳いだ。今の日本らしさ。和風よりも現代的。すごく気にいりました」。吉田も「今日は初披露で、後先考えずに思い切り泳げた」と口にした。

昨夏の世界選手権でメダルなし。井村ヘッドコーチが初音ミクを“助っ人”に呼んだ。井村HCは「アニメは世界の人が認める日本の良さ。素晴らしい声で歌ってくれた。ミクちゃんに感謝です」と好感触を口にしていた。【益田一弘】

○…井村HCは、乾のパートナーを務める吉田の成長を認めた。「乾と吉田の実力差は大きいが、成長が見えた」と評価した。昨夏の世界選手権後、吉田と1対1で早朝練習を敢行。基礎練習から見直しを行っている。吉田は、今後の課題について「高さと、もっと激しく動けるんじゃないかと思っています。もっと詰めていきたい」とした。