バレーボール全日本高校選手権(春高バレー、来年1月5日開幕、東京)の組み合わせが29日、決まった。2年連続出場の男子の北海道科学大高は1回戦で松山工(愛媛)と対戦する。前回大会は1回戦で敗退。その主力4人が残ったチームは、全国で勝ち上がるために新たなレシーブ練習を取り入れて守備を強化。4大会ぶりの全国勝利から目標の4強入りに突き進む。

北海道代表決定戦をオールストレート勝ちで2連覇した北海道科学大高に油断はない。前回大会は日本一を目指しながら、全国では1回戦負け。主将で187センチの柿崎晃(3年)は「おごりなく、初戦を突破していく。1戦1戦をしっかり戦い抜きたい」、目標の4強に向けて、まずは松山工との1回戦で4大会ぶりの1勝を挙げステップを踏んでいく。

新型コロナウイルスの影響を受けて、今年は例年と違い全国強豪校との対外試合は限られた。10月末に全国優勝経験もある星城(愛知)と2日間で24セットの練習試合を行った。セッター大堀尚也(3年)は「1点1点がとても重い、ちょっとでも気持ちを抜いたら流れを持っていかれる」。昨年全国で感じた課題を改めて痛感。生命線になるのは粘り強く戦う姿勢だ。

昨年より主力の平均身長が低くなったチームは、攻守に攻める姿勢を磨いてきた。17年に同校初の全国1勝を挙げ16強に進出した際の主将だったOB阪口秀英(仙台大4年)が9月に練習参加。従来はライト、レフトの1方向から強打を打って拾うレシーブ練習だったが、仙台大が取り入れるセッターがランダムにトスを挙げて両サイドからのスパイクを拾う練習を導入した。

前回はリベロで出場したライト谷本響希(3年)は「より実戦に近い形で、自然と体が動くようになった」と守備の向上を感じている。さらに相手を打ち崩すためにサーブ練習も強化。辻克典監督(32)は「サーブミスしても怒らないようにしている」。全国強豪校を打ち崩すためにも強気の姿勢で出たミスは歓迎している。

コロナ禍の今季は6月中旬まで約2カ月、全体練習をできなかった。その間に地方から出てきた選手は、許可を得て中学時代に所属した地元チームで練習を重ねた。木古内中出身の柿崎は「両親や支えてくれた人のためにも頑張りたい」。今年度唯一の全国舞台で感謝を結果で示す。【浅水友輝】