最後のタイムアウトを終えコートに戻る開志国際のPG各務(かがみ)早紀(3年)は、もう泣いていた。第4Q残り1分14秒。スコアは59-87で試合再開の時だった。

「負けることは引退につながる。時間と点差を考えると、現実が…。目の前にあった」。もちろん、コートでは泣かない。第4Qの立ち上がりにも3点シュートを決めるなど40分フル出場で両チーム最多の26得点を挙げた。24日の2回戦(84○69実践学園)は6得点だったが、気持ちを切り替えてチームを得点でけん引した。

相手の高さがボディーブローのように後半から効いた。第2Q途中まで34-24だったリードを詰められ、突き放されたのはリバウンドの差。34本に対し、相手は倍の68本を拾い攻撃を仕掛けてきた。ナイジェリア人のCイゾジェ・ウチェ(1年=187センチ)ら2人の外国人選手の高さに「やられ始めたら、ずっとやられた」(各務)。埼玉・豊野中では全中2連覇している各務の高校最後の全国大会。4年ぶり8強を懸けた3回戦で終わった。