天理が、伏見工の流れをくむ京都工学院との伝統校対決を制した。真っ白のジャージーの15人は浅く、フラットなディフェンスラインから、真っ赤なジャージーに圧力をかけ続け、トライ数で5対1と完勝だ。

花園優勝6度を誇る名門が、2大会連続で花園を逃している。松隈孝照監督(48)は「昨年もたくさん悔しい思いをした。新チームになって、生徒に“先輩たちの分まで頑張ろう、1つずつ喜んでいこう”と話しています」と言い、この日の戦いは「いつもと同じです」と説明した。

1週間前に主将に抜てきされたロック水流桜花(つる・おうか、2年)は「工学院さんは接点に強い。そこで負けない試合ができました」と胸を張る。サイズは小さくても、豊富な運動量でフルタイムを動ききる天理ラグビーは健在だ。

息づく伝統はメンバーにも現れる。この日のスタメンで松隈監督のおい、フランカー松隈孝成(1年)とWTB田仲功栄(1年)はともに祖父、父が天理OBの“3世代目”だ。

松隈監督は「創部96年ですから。3世代なんて、ウチか秋田工さんぐらいのもんじゃないですか?」と笑う。準決勝の相手は、旧大工大高の常翔学園。再びの伝統校対決でも真価を見せつける。