60キロ級の本名帝心(たいしん=八海3年)が3回戦進出を決めた。初戦2回戦は工藤真之祐(神奈川・日大藤沢2年)と対戦。相手にポイントを許さず、Tフォール勝ちした。55キロ級の及川丈尊(八海2年)も、荒井大地(群馬・市立太田3年)にTフォール勝ちして3回戦に進んだ。

    ◇    ◇    ◇

60キロ級の本名は果敢に攻めながら防御の隙を作らなかった。ポイント1-0からは低い姿勢で両足タックルに入り、相手を浮かすようにマットにたたきつけた。「ちょっと緊張したけれどポイントを取ってから、自分のレスリングができた」。試合時間を50秒残してのTフォール勝ち。ポイントは10-0で相手に反撃の機会を1度も与えなかった。

「目標は準決勝進出。ベスト4」と本名。父栄仁さん(45)が巻農(現巻総合)時代に遂げた成績と同じ。その父が主宰する「巻っずクラブ」で3歳からレスリングを始めた。無観客で行われる大会だけに父からのLINEには「足を動かせ」「楽しんでやれ」のアドバイスが入っていた。

双子の兄一晟(山梨・韮崎工3年)も65キロ級で3回戦に進んだ。本名は兄を「階級は違うけれどライバル」と言う。「強豪校に行った兄に差をつけられたくない。兄以上になるように頑張る」と“刺激剤”にしている。関川博紀監督(47)は「相手が力強かったので前半は手間取ったが、後半は建て直してくれた」と、試合中の修正力を褒めていた。

○…55キロ級の及川は「自分から攻めてポイントを取っていくスタイルのレスリングができた」と満足そうに振り返った。神奈川県出身の2年生。24日の団体戦3回戦は優勝した鳥栖工(佐賀)に1-6の完敗。試合後、関川監督から「相手をもっと動かせ」と個人戦へのアドバイスをもらっていた。「しっかり戦えた」と及川は手応えを感じていた。