女子団体3回戦で、地元福島のふたば未来学園が3-2で諫早商(長崎)に競り勝ち、準々決勝に進出した。第1ダブルスを制した杉山薫主将と田部真唯の2年生ペアが、それぞれ第2、第3シングルスでも活躍し、勝利に導いた。

2-2で迎えた第3シングルスの第2ゲーム。27-25で7度目のマッチポイントをものにした田部は両こぶしを握り締めてうれし涙を流した。チームは初戦の西武台千葉戦も苦しみながら3-1で勝ち上がった。杉山主将は2試合で単複各2戦の計4勝を挙げた。コロナ禍の中、昨年は高校選抜も高校総体も中止になった。大会は44年ぶり2度目の地元開催。全国高校総体で団体4連覇中の伝統を背負う選手たちは、地元で4年ぶりの全国選抜団体Vを成し遂げるつもりだ。

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ふたば未来学園の男子チームは、ダブルス2戦を先取され、後がなくなったシングルス3番勝負で粘った。1年時からレギュラーのエース武井凜主将(2年)と岩野滉也(1年)勝利して五分に持ち込んだが、1歩及ばなかった。最終シングルスの斎藤駿(1年)が第3ゲームに持ち込む粘りを見せたが、最後はコート左奥にスマッシュを決められ、力尽きた。武井主将と組んだ第1シングルスも落とした斎藤は「攻めのプレーが通用しなかった。先輩を勝たせることができなかった」と悔し涙を流した。

だが、チームスローガンの「MIND OVER BODY(マインド・オーバー・ボディ=気力は体力を超える)」の横断幕通り、最後まで諦めなかった。本多裕樹監督(36)は「コロナウイルスの中で(福島沖の)地震もあった。まず開催していただいたことに感謝の気持ちを表したかった。すべてを出し切っての銀メダル。次につながる価値ある銀」と選手の健闘をたたえた。

バドミントン部は、東日本大震災の影響で休校になった富岡高の伝統を受け継ぐ。東京五輪日本代表の偉大な先輩・桃田賢斗(26=NTT東日本)の背中を追う。昨年7月には来校して指導も受けた。全国大会がすべて中止になり、目標を失いかけた選手たちは、桃田から「自分は不完全。自分より力を持っている人はたくさんいる」と、モチベーションの高め方を教わった。今日27日から個人戦のダブルスとシングルスが始まる。夏には高校総体も控える。斎藤は「気持ちを切り替えて優勝を目指したい」と雪辱を期した。【佐々木雄高】

○…女子も決勝2-3で涙を流した。対戦成績1-2で最終のシングルス2番勝負へ。第2シングルスの杉山薫主将(2年)がストレート勝ちも、第3シングルスを落とした。杉山主将は初戦から5試合、単複全10戦で全勝を飾り、「エースとして、主将として負けられないという気持ちで戦った。明日からはスタートから全力で戦いたい」。