飛び込み界の「超新星」玉井陸斗(14=JSS宝塚)が、東京五輪出場の危機にあることが4日、わかった。国際水連は日本で開催予定の飛び込み、アーティスティックスイミング、オープンウオーターの五輪世界最終予選3大会について、日本側の感染症対策や経費負担などを巡る対応を不服とし、3大会を中止する意向を伝えている。関係者は「代わりの大会を行う期間がもうない。出場選手の決定に19年世界選手権ランキングを使う方向になるかもしれない。このルールはIF(国際競技連盟)が決めること。IFが決めてしまうと、もうこちらでは決められない」と明かした。予選が中止となったボクシングなどでは、すでに暫定のランキングで出場を決める方式がとられている。

玉井は、19年世界選手権には国際水連による年齢制限のために出場できなかった。またコロナ禍による1年延期で「13歳10カ月」という、日本男子五輪最年少出場記録も消えている。

玉井は、五輪世界最終予選を兼ねたW杯東京大会(18日開幕、東京アクアティクスセンター)に出場予定だった。予選上位18人による準決勝に進めば、代表内定だった。玉井の自己ベストは528・80点で16年リオデジャネイロ五輪銅メダル、19年世界選手権4位に相当。アクシデントがなければ、東京切符は確実視されていた。しかし大会が中止されて19年世界選手権の記録が採用されれば、玉井はその枠の外になる。関係者は「陸斗(玉井)はつらいよなあ」。国際水連は予選3大会について再調整した結果を、今週に発表すると声明文を出している。