B1新潟アルビレックスBBは7日、アオーレ長岡で練習を再開した。選手12人が新型コロナウイルス陽性反応者との濃厚接触と判定されての2週間の活動自粛が明け、全体練習は3月26日以来12日ぶりだった。11日までの8試合が中止となり、さらにコート外では小菅学社長(47)がチームスタッフへのパワハラ行為でリーグから処分を受け、クラブの処分で無期限謹慎になってもいた。ネガティブな空気を勝利で打ち消そうと、再開初戦の14日のホーム、レバンガ北海道戦に臨む。

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バスケができる喜びを選手は体で表現した。長岡市保健所から午後1時30分に活動再開許可の連絡があった。それを受けて午後3時すぎから選手14人全員が参加して練習開始。ドリブル、シュート練習と対人を入れない軽めのメニューを1時間ほど。「みんな明るかった」。青木勇人監督代行(47)はテンションの高さに安心していた。

3月24日のアウェー千葉ジェッツ戦後、千葉の選手に新型コロナウイルス陽性反応が出たことで、ベンチ入りしていた新潟の選手12人が濃厚接触者と判定された。その後の自粛生活。食品の買い出しなど必要最低限の外出も30分以内に抑えた。2日に1回、Zoomで全員をつなぎ、ストレッチ、サーキットなどに取り組んだ。「息の上がる内容だった」と主将の池田雄一(37)が言うように、できることに真剣に取り組んだ2週間だった。

自粛期間中に小菅社長のパワハラ問題が表面化した。五十嵐圭(40)は「ファン、パートナー企業の方々、関係者の皆さんに申し訳ないです」と話した。2日のリーグ発表で多くの選手が事実を知った。小菅社長個人の事案だが、五十嵐は「信頼を回復できるバスケをしたい」とファンへの心遣いを見せた。池田も「そういうことがあったというのは真摯(しんし)に受け止め、できることに集中する」。

14日のホームでの北海道戦が3週間ぶりの試合になる。青木監督代行は「試合を楽しみにしてくれているファンのためにハードにプレーするだけ」と言う。「勝利することが一番」と五十嵐も気持ちを集中させた。【斎藤慎一郎】

◯…練習開始前、川上明営業本部長(51)が選手、スタッフに小菅社長の一連の騒動を説明。「ご心配、ご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思います」と謝罪。「今後はこちらからも相談する。意見が合ったら聞かせていただきたい」と話した。

<練習再開まで>

◆3月26日 アウェーで24日に対戦した千葉の選手から新型コロナの陽性反応者が1人出たため、長岡市保健所が濃厚接触を調査。

◆同27日 千葉遠征参加の選手12人に濃厚接触者の判定。活動自粛になり、27、28日ホームで予定の島根スサノオマジック戦、31日のアウェー北海道戦、4月3、4、7日のホームのアルバルク東京戦が中止。

◆29日 千葉から新たに選手3人、スタッフ1人の陽性反応者が出たため、さらに4月10、11日のアウェー千葉戦が中止に。

◆4月2日 小菅社長にチームスタッフへのパワハラ行為があったとしてリーグからけん責と制裁金50万円の制裁を受ける。

◆同5日 日野会長が会見し、小菅社長の無期限謹慎処分を発表。第3者を入れた調査でクラブ独自の処分を行うことも明らかに。

◆同7日 5日に行った検査で全員に陰性結果が判明。チーム練習を再開。