柔道の世界選手権(ブダペスト)女子78キロ超級で2大会ぶり2度目の金メダルを獲得した朝比奈沙羅(24=ビッグツリー)が14日、自身のツイッターを更新し、決勝後の行動について説明した。

決勝では20年全日本女子選手権覇者の冨田若春(わかば、24=コマツ)に延長の末、指導3の反則勝ちを収めて王座奪還を果たした。試合後、朝比奈は左膝を負傷した冨田のもとに駆け寄り、おんぶして畳に深々と一礼して、会場を去る姿が大きな感動を呼んだ。

朝比奈は、国際大会において「日本人対決」となった場合、全日本チームの方針として公平性を保つためにコーチ席にはコーチや監督は入らない。コーチ陣は、練習エリアのモニターから試合を見ているためすぐに助けに行けないとした。

この“全日本ルール”が前提としてあった上で「『選手が大会を創る』という部分で、我々選手に委ねられている部分が大いにあるということと、コロナ禍で関係者ですらも会場に入れる人数がかなり制限されていて、メディカルの対応が遅れてしまったというのは、残念ながら事実です」とした。

さらに、世界最高峰の大舞台でライバルを背負ったことで「冨田選手には恥ずかしい思いをさせたかもしれないけど、一刻も早くチームトレーナーの元に引き渡すこと。この状況下で試合をさせてくれた関係者や会場に礼をして畳を降りることを鑑みると、“正解”かは分からないけど、自分のとった行動は間違いではなかったかと思っています」と振り返った。

ただし、「自分で歩ける?」など聞く配慮は欠けていたかもしれないと反省し、「多分何を言っても『言い訳だ、偽善だ』と言われると思うので、これ以上は何も言いません」と締めた。最後は同じ世界の舞台で戦うライバルであり、仲間へ「とにもかくにも冨田選手のけがが早く回復することを祈っています」とメッセージを送った。