“TJロス”を拭い去る。

22年1月開幕のラグビー新リーグ「リーグワン」1部のNTTドコモレッドハリケーンズ大阪が1日、大阪市内のグラウンドで全体練習を開始した。蒸し暑い屋外で測定などを行い、来日後の隔離期間を終えた就任2季目のヨハン・アッカーマン・ヘッドコーチ(HC、51)は「何人かはしっかり(基礎が)確立されているが、大多数はまだまだこれから。(開幕の)1月に向けて、いい感じに上げていける」と力を込めた。

トップリーグ最終年だった昨季は、過去最高の8強入り。その原動力となったニュージーランド代表SHのTJ・ペレナラ(29)が、同国の古巣ハリケーンズに復帰した。アッカーマンHCは「TJや(共に退団した南アフリカ代表WTB)マピンピが何をしてくれたか。いい準備をするために、どれだけ尽くせるか。いいお手本となり、それがかなり大きな貢献だった」と残した財産に言及した。

リーグワン初年度の今季は真価が問われる。明大出身の5年目SH浜野達也(26)は、ペレナラの活躍で出場時間が限られていた。

「TJが移籍したのは大きいけれど、自分を含めた日本人SHが、昨季以上の結果を残さないといけない。1人1人がレギュラーを狙っている。僕はゲームメーク、キック、パス。状況に応じたプレーを(HCの)ヨハンからも長所と言ってもらっている。そこを発揮すればレギュラーに近づくと思う」

南アフリカ代表で新加入のSOエルトン・ヤンチース(31)は、代表活動後に合流を予定。浜野は「(ヤンチースが)どんなプレーをするかは映像を見ています。結構ボールを動かしたいタイプだと思う。合流後にもいろいろ話をしたい」とキッパリ。アッカーマンHCも「昨季の結果に頼るのではない。次に進み、新たなスタンダードを作らなければいけない」と口にし、セットプレーや規律を強化ポイントに挙げた。“台風の目”として注目された男たちは、過去にすがらず、前へと進む。【松本航】