東京オリンピック(五輪)日本代表の徳南堅太(34=デロイトトーマツ)が18年以来3大会ぶり3度目の優勝に王手をかけた。

自国開催の大舞台後、初の実戦となる日本一決定戦に出場。準々決勝で同じく五輪代表の島村智博(37=警視庁)に15-11、準決勝で前回王者の小久保真旺(18=法大)に15-10で勝ち「いつもの大会と違った点があるとすれば、気持ち。まだパリ(24年五輪)を目指すか分からないけれど、もしかしたら今大会が最後になるかもしれない。集大成をお見せするつもりで」と懸ける思いを口にした。

予選は準決勝まで。決勝は10月3日に都内のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行われ、五輪でチームメートだった吉田健人(28=警視庁)と対戦する。

決勝進出の要因は「初戦からガンガン前に行こうという気持ちで取り組んだ結果」と自己分析し、今までと気持ちが違った理由に関しては「五輪後に『次、どうすんの?』と、よく聞かれるようになって。五輪が終わって1つの区切りなのかな、と思いつつ、でもまだパリを目指すか固まってない。1年、1年、やっていきたい。男子エペ団体が金メダルを獲得して盛り上がっている中、競技を続けるだけではなく、裾野を広げる活動にも興味がある」と説明。それが「もしかしたら今回が最後になるかもしれない」との発言につながったという。

決勝に向けては「かなり激しい戦いになる。吉田選手は身体能力が高く、スピードもある。代表の仲間ですし、手の内も分かっているので、自分の持ち味であるトリッキーさ、独特のステップで、さらに上を行く戦略を立てたい。大会自体を大いに盛り上げる決勝にしたい」と11、18年以来となる制覇へ闘志をみなぎらせた。【木下淳】