10月1日付で柔道男子代表監督に就任する鈴木桂治氏(41)が30日、退任した井上康生監督(43)との信頼関係の継続を強調した。

さいたま市の大型複合スポーツクラブ「ジェクサー大宮」での柔道アカデミー体験会に参加。この日、退任会見を開いた井上監督から「鈴木カラーを前面に出してチームづくりをしてもらいたい」と激励されたことを受け、鈴木氏は「まだ何が自分のカラーか分からないが、流れを徐々につかみ鈴木カラーを出していきたい。(井上体制を)100%まねしても成功するわけでもないし、継続・継承もするが鈴木の形もつくっていきたい」と決意を述べた。

1日から全日本柔道連盟の強化副委員長に就任する井上監督へ感謝の言葉も口にした。12年から井上体制の重量級コーチを務めてきたが「柔道界から見ても、自分から見ても井上康生の存在はスター。大きな力を発揮する方なので、今後もいろいろな形で助けてもらい、監督としての9年間をしっかり聞きながら協力して強化に取り組みたい」と話した。現役時代は長く100キロ級で激しい代表争いを繰り広げたライバル関係であったが、現在は「ほぼ毎日連絡を取り合っている」という。

体験会では、小学生に受け身やチューブを使って左右の動きなどを指導。1人1人に分かりやすく説明し「柔道だけに限らず、柔道を通じて子供たちの将来の可能性を引き出せたら」と充実した表情を見せた。柔道アカデミーは10月に同所で開講し、4歳から小学生を対象に週2日実施される。