競泳男子の瀬戸大也(27=TEAM DAIYA)が、引退した萩野との別れを惜しんだ。萩野の引退について「率直にいって、寂しい。引退までとはいわず、やりたいときに泳げる環境を残しておけば、と思うんですが…。でもそれは自分が寂しいから、そう思うのかもしれない」とした。

小3での初対決から、ずっと競い合ってきた。16年リオでジャネイロ五輪では400メートル個人メドレーで萩野が金メダル、瀬戸が銅メダル。日本勢60年ぶりのダブル表彰台だった。

今年の東京オリンピック(五輪)では200メートル個人メドレー決勝をともに泳いだ。瀬戸が4位、萩野が6位だった。レース後は近寄ってきた萩野と、プールの中で抱き合った。「(引退を)うすうす感じていたところはあるんですが、公介(萩野)が長期休養とかに入るのかなと思っていた」と振り返った。

瀬戸は、24年パリ五輪に向かう。萩野がいなくなったプールで、戦いの日々が待っている。「今、この瞬間を大切に、1日1日を大切に過ごしていくこと、その積み重ねが強化になっていく。これからパリまで足踏みせず、毎日全力で過ごせていたら、パリ五輪の時にまたかなりのレベルに戻っていると思う。きっと強い自分であると思う。そこで勝負したい」。23日には競泳界4人目のプロ宣言をしたばかり。萩野がいない寂しさは胸にしまって、瀬戸がまっすぐパリ五輪を目指していく。【益田一弘】