フィギュアスケート女子で22年北京五輪メダルを目指す紀平梨花(19=トヨタ自動車)が、一発勝負で初の五輪切符を狙う。5日、日本スケート連盟がグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯(12~14日、東京・代々木第1体育館)欠場を発表。「右足関節骨軟骨損傷」の回復が遅れているといい、10月下旬のGP第2戦スケートカナダに続いて苦渋の決断を下した。

前日4日に故障で欠場が明らかになった男子の羽生結弦(ANA)と同様、女子のエースにも試練が続いている。GP2試合の欠場により、今季初戦は2連覇中の全日本選手権(12月22~26日、さいたまスーパーアリーナ)となることが決定的。過去に世界選手権3位以内に入った選手は故障で全日本選手権欠場でも五輪代表に選考される可能性を残すが、4位(19年)が最高の紀平は該当しない。

五輪切符3枚の女子は2大会連続出場を目指す坂本花織や宮原知子、実績のある樋口新葉、三原舞依らが横一線。全日本選手権の表彰台争いは激戦が予想される。一方、紀平は昨季も新型コロナウイルスの影響で同選手権が初戦となり、自身初の4回転サルコーを決めて優勝。まずは回復を第一に考え、全ての力を大一番に注ぎ込む。【松本航】