18年世界選手権5位の友野一希(23=セントラルスポーツ)が83・91点をマークし、日本勢最高の6位でフリーに進んだ。

「ニュー・シネマ・パラダイス」を舞い、冒頭は4回転トーループからの2連続ジャンプ。2回転トーループにつなげる間隔はやや空いたものの、降りた。続く4回転サルコーは着氷が乱れたものの、最後はトリプルアクセル(3回転半)をきれいに決めてみせた。

新型コロナウイルス感染拡大が本格化する前の20年2月に行われた4大陸選手権(ソウル)以来の国際大会。「吐きそうになるぐらい緊張しました」と苦笑いしつつ「でも練習はしてきたので、緊張しても落ち着いて。声援もあって会場の雰囲気も良かったので、たくさん練習してきたからこそ(の気負い)ですかね。それなりにジャンプはできたかな」と納得はした。

一方でスピンはレベルを落とす場面があり「足に力が入らなくて回転が遅くなっちゃったり、バランスが崩れちゃったり」と反省したが「でも、課題のジャンプは決めることができたので良かった」と手応えに目を向けた。

前戦の10月の近畿選手権では、優勝したもののミスが目立った。「厄払いできたかな」と話していたが「近畿の前は、貸し切りのリンクの関係で練習できなかった部分があって。でも、近畿後は自分の練習が増える環境が整ったので本来の演技ができた。そこは良かった。近畿前に積めていなかった部分の、本来の練習量をしっかり取り戻せました」と説明した。

フリーに向けては「やってきたことを全力で。ショートよりも重点的にフリーを練習してきたので、自信を持って滑りたい」と自身への期待感を高めていた。【木下淳】