男子の山本草太(21=中京大)がコーチ陣に感謝する演技で、86・05点の好スコアをマークした。

「6分間練習に入って、その前のアップなどで焦りもでたんですけど、自分では気づかず」と振り返る。そんな時、今季から師事する山田満知子、樋口美穂子の両コーチから「落ち着いて」と声かけてもらった。意外な進言だったが、気持ちを冷静に見つめることができた。

冒頭の4回転サルコー、トリプルアクセル(3回転半)、後半の2連続3回転とミスなく、滑りでも持ち味の優雅さを感じさせる演技で、自身のスケート人生を反映させた「イエスタデイ」のプログラムを滑りきった。

これまでの試合では、落ち着くという考えはなかった。「いままでは、葛藤、怒りだったり、そういったものを出して奮い立たせていた」という。この日の演技への臨み方で、あらためて痛感した。「あまり考えすぎず、リラックスしてやれば良い演技につながるとあらためて思えた。自分らしくありのままで、普段の練習通りにやればいいんだなと」とかみしめていた。

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