関学大が立命大を28-25で下し、立命大と両校優勝だった19年以来、58度目の優勝を果たした。単独優勝は3年ぶり。RB前田公昭(4年)の先制TDを皮切りにオフェンス陣が活性化。一時逆転を許したが、2年生QB鎌田陽大(はると)のTDパスで逆転した。甲子園ボウル出場をかけた西日本代表決定戦(12月5日、ヨドコウ桜スタジアム)へ進み、6年連続出場を目指す。京大は桃山大に勝利し、最下位を阻止した。

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手に汗握る試合だった。第1Qは無得点が続き一進一退の攻防だったが、中央から左サイドへ走り抜けた前田のランで均衡を破った。第3Qには14-18と逆転を許すも、落ち着いてプレー。第4Q開始直後、QB鎌田からのパスを受け、TDゾーンへ走り込みチームを再び勢いづけた。

前田は「1プレー1プレーを大切にしていくことを、ずっと体現しようと言っていたので、辛抱強くできたのがよかったところです」。10日の試合前会見では「チームを勝たせるランのために準備していきたい」と意気込んでいたが、有言実行でまっとうした。

大村和輝監督(50)も「ランナーがよく頑張りましたね。現時点でできることはすべてやりました」。最後まで全力プレーを続けた選手をねぎらった。

QB鎌田も奮闘した。持ち味の強肩を生かしてパスを投げ、成功させた後には、空いたスペースをすかさず見つけ走り、ゲームを前半から作っていった。

「いつも通りに気持ちを落ち着かせてできました。ちゃんと周りを見てパスを通すこともできましたし、前半からリズムを作ることができていた」と手応えをつかんだ。

これに、指揮官も「鎌田がなかなか良い判断をして、しんどいときにもうまく走ってくれた。鎌田の成長したところだと思います」とたたえた。

次戦は、12月5日の全日本大学選手権の西日本代表校決定戦。この日下した宿敵の立命大が勝ち抜いて、再び相手となる可能性も高い。6年連続の甲子園ボウル出場を懸けた一戦になる。鎌田は「相手が誰か分からないですが、しっかりとこの3週間準備していきたい」と、次なる目標を見据えている。【三宅ひとみ】