「舞依ならできる」-。

その言葉を胸に三原舞依(22)が輝いた。73・66点を記録し、5位発進。首位の坂本花織(ともにシスメックス)まで5・57点、表彰台圏内の3位河辺愛菜(木下アカデミー)とは0・61点差の好位置だ。演技後は涙を流し「滑り終わると不思議な感じでした。先生に『良かった』と言っていただいた。すごくうれしいです」と振り返った。

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今季の新SP「レ・ミゼラブル」。緊張感高まるリンクに、中野園子コーチから「舞依ならできる」と背中を押されて立った。得点源となるルッツ-トーループの連続3回転など、ジャンプは全て成功。スピン3つとステップで最高のレベル4をそろえた。大会前には振付師のデビッド・ウィルソン氏へ動画を見せ、作品の細部までこだわった。

4年前も平昌五輪の代表候補に挙げられていたが、全日本選手権5位で2枚の切符を逃した。19-20年シーズンは体調不良で全休。この舞台に、立つことすらできなかった。

演技後の取材エリア。視線は2日後に向いていた。

「今日は今日。フリーはフリー、です」

クリスマスの夜、4年分の思いを込める。【松本航】