「統合後初勝利」にわずかに及ばず。選手権20度の優勝を誇る能代工と能代西が今春に統合。初出場の能代科学技術(秋田)が、桜丘(愛知)に92-95で惜敗。高橋裕心(3年)が40分間フル出場、両軍最多38得点と奮起したが、19年の選手権3回戦で敗れた相手に雪辱は果たせなかった。

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統合後初の選手権は、悔しい敗戦で終わった。4点を追う第4クオーター(Q)残り1分31秒。何としても逆転するべく、心を1つにオフェンス。シュートがリングをはじいてもリバウンドを奪って波状攻撃。だが、得点を奪えないまま時間が過ぎていき、最後は3点差でブザーが響いた。昨年と同じ1回戦敗退。高橋裕は「校名が変わって最初の年。あとが続けるように良い結果を残して終わりたかった」と悔やんだ。

ゴールの意識を忘れずに戦い抜いた。第2Qに一時12点差と離されても相手の隙を見つければ、インサイドにアタック。外からも3点シュート(3P)を決めて3連続得点し、前半を1点リードで折り返した。後半はインサイドを軸とした攻撃で点差を縮めることに苦しんだが、5本の3Pを含む両軍最多38得点。「3Pもドライブも思い切ってやるという気持ちが得点につながった」と前を向いた。

初勝利は来年以降に持ち越しとなったが、能代工伝統の激しいディフェンスから素早いオフェンスで得点するシーンもあった。就任1年目の小松元監督(48)は「秋田県内でも勝ち進むのは簡単ではないので、この経験や挑戦を忘れずにとにかくアグレッシブに。いろいろなバスケットを学びながら、選手の意見を聞きながら(新たな伝統を)作っていければ」。能代工時代に果たした全国優勝は58度。重圧も背負いながら、能代科学技術の歴史を1つずつ刻んでいく。【相沢孔志】

◆テレビ放送 男子決勝は12月29日午後1時からテレビ朝日系地上波で、女子決勝は12月28日正午からBS朝日でともに生放送。