男子のエース、シゲキックス(半井重幸、19)が、大会連覇でパリ・オリンピック(五輪)へ弾みをつけた。予選リーグから全勝で決勝に進んだシゲキックスは、2年連続決勝でトアと対戦。多彩な技とスピードで1対1のバトルを圧倒し、危なげなく大会連覇を果たした。

シゲキックスの動きが、大迫力の音楽に重なる。抜群のスピードで次から次へと繰り出される動きに、DJの音量も上がる。渋谷駅直結のイベントホールで刻むパリ五輪への第1歩。シゲキックスは「内容には満足していないけれど、連覇はめちゃくちゃうれしい」と笑顔をみせた。

パリ五輪の金メダル候補として注目されるが、昨年11月に左手の薬指を負傷。骨折と靭帯(じんたい)損傷でその後満足なダンスができなかっただけに「この大会で元気な姿を見せることができてよかった」と話した。

今大会の優勝で、日本ダンススポーツ連盟の強化選手になる。今春にも始まるパリ五輪に向けたランキング対象の国際大会に最優先で派遣される。パリ五輪本番では金メダルが期待されるが「ブレイキンの魅力を世界に発信したい。そうすれば、金メダルがついてくる」と、胸を張った。

世界で圧倒的な強さをみせる女子は、昨年12月のパリ世界選手権と同じ決勝のカードとなった。世界女王アユミ(福島あゆみ、38)が一昨年女王アミ(湯浅亜実、23)を破って初優勝。「一番の目標はケガをしないこと」と笑わせたが、男子のシゲキックスとともに金メダル候補だ。【荻島弘一】