アイスダンサーとして初めての大舞台に臨んだ高橋大輔(36)が、多回転の片足ターン「ツイズル」でのミスを悔やんだ。

村元哉中(かな、29=ともに関大KFSC)と息を合わせて要素に入ったが、2つ目の動きで回転がほどけてしまった。村元は「2個目のツイズルは左足で逆回り。利き足じゃない方での反対回りで、バックから入るので軸がずれやすい」と分析し、アイスダンス独特な要素の難しさを高橋も分かりやすく説明した。

「急に悪くなったりする。理由もなく、うまくいかなくなったりする。(練習で)ハメきれていなくて(そこまで)演技として良かった分『きっちり決めたい』となってしまった。ツイズルはシングルスケーターとしてアイスダンスを見ていた時に、こんなに難しいとは思っていなかった。(難しさはシングルの)4回転(ジャンプ)ぐらいですかね。お互いの距離感、幅、回転の速度を合わせていかないといけない」

悔しいミスがあり、自己ベストに8・10点届かない67・77点で15位発進。演技後の取材エリアで「今はショック」と口にした高橋だが、前向きさも持ち合わせた。上位20組入りで進出を決めた26日のフリーダンス(FD)へ言い切った。

「フリーは今シーズン、すごく大きいミスがない。シングルの時はフリーが苦手だったんですが、今シーズンはRDの方が緊張感が高い。『フリーは思い切り楽しんでやれば大丈夫じゃないかな』という、変な自信があります。今日はへこみますけれど、気持ちを切り替えて(FDの)『ラ・バヤデール』の世界を楽しみたいと思います」

高橋にとって9年ぶり、村元にとって4年ぶりの大舞台。思い残すことなく、世界最高峰の場を楽しむ。(モンペリエ=松本航)