フィギュアスケート女子で今季の北京五輪と世界選手権に出場した河辺愛菜(17)が拠点を京都から愛知に移し、樋口美穂子コーチ(52)に師事することが21日、分かった。過去に世界王者の宇野昌磨らを担当してきた同コーチは先月15日、スケートクラブ「LYS」の創設を発表。小学校時代以来となる再タッグで、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指す。

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今季、世界へと羽ばたいた高校3年生の河辺が、大きな決断を下した。関係者によると4年ぶりに故郷の愛知へと戻り、新たな環境での成長を志したという。

名古屋生まれの河辺は18年春に父を残し、母、弟と関西へ引っ越した。浜田美栄コーチ(62)の指導を受けてトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を習得。今季は3回転半を武器にグランプリ(GP)シリーズNHK杯2位、全日本選手権3位と頭角を示し、北京五輪と世界選手権の代表3枠入りを果たした。五輪では23位と苦しんだが「4年後は出場するだけじゃなくて、ちゃんと上位を目指したい」と目標が生まれた。

新たに指導を受ける樋口コーチは、技術指導だけでなく振付師としても活躍。山田満知子コーチ(78)とともに「グランプリ東海クラブ」で浅田真央、村上佳菜子、宇野昌磨らの指導に携わった。今春に山田コーチから独立。選手の特長を伸ばす指導に定評がある。

この日、日本スケート連盟からは22年度の強化選手が発表され、河辺は女子で4人の「特別強化選手」に名を連ねた。今週末には木下アカデミーの一員として区切りとなる「ブルーム・オン・アイス」(23~24日、木下アカデミー京都アイスアリーナ)に出演予定。京都両洋高から中京大中京高へ転校の手続きも終わり、アイスショー後に愛知での新生活が始まる。4年間にわたって切磋琢磨(せっさたくま)した仲間や指導スタッフに感謝を伝え、4年後に向けて再出発する。

◆河辺愛菜(かわべ・まな)2004年(平16)10月31日、名古屋市生まれ。5歳で競技を始める。憧れの浅田真央さんとは、小学生の時に出演したアイスショーで対面。サインをもらった。19年全日本ジュニア選手権優勝、20年ユース五輪4位。3回転半は当時練習を共にした紀平梨花も参考にし、19年秋に大会初成功。趣味は愛犬と遊ぶことで、好きな歌手は嵐の櫻井翔。好きな食べ物はチーズなど乳製品。155センチ。