B1昇格まであと3勝だ! 仙台89ERSが80-74で福島ファイヤーボンズを下し、2戦先勝のプレーオフ(PO)クオーターファイナル第1戦を制し、セミファイナル進出に王手をかけた。ジャスティン・バーレル(34)が両軍最多30得点10リバウンドと奮闘。チームの大黒柱が攻守でチームをけん引した。福島は第4クオーターに一時1点差まで追い上げたが要所でのミスが響き惜敗。今日8日の第2戦必勝を目指す。

   ◇   ◇   ◇

第1クオーター(Q)から持ち味の堅守が発動。スタートから4分間、福島に得点を許さなかった。その間に仙台はバーレルの3連続得点で6-0。バーレルは「どれだけプレーオフに対して熱い気持ち、強い気持ちを持って戦うかをチームメートにスタートから見せたかった」とチームを鼓舞するプレーで上々の立ち上がりを見せた。

第2Qは福島の猛追に苦しんだが、26-29と3点ビハインドの苦しい流れを前半終了間際、田中成也(30)の3点プレーで持ち直した。第2Q残り4秒で寒竹隼人(35)がパスカット。田中、デビン・オリバー(29)、田中とつなぎ、田中がそのままブザービーターのレイアップを決めてワンスローを獲得。フリースローも落ち着いて沈め、試合を振り出しに戻した。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=36)は「うまくいかない前半を同点で終われたのはすごく大きい」と、選手の粘りをたたえた。

追いついた勢いを切らさず第3Qに突き放し、そのまま逃げ切った。後半だけで20得点と40分間通してチームを引っ張ったバーレルは「まだ終わっていない。自分たちのフォーカスはすでに明日に向いている」と冷静。藤田HCも「(福島は)強い気持ちでぶつかってくると思うので、僕らもそれ以上に強い気持ちを持って第2戦に臨みたい」と、気持ちに緩みはない。

この勝利で今季のホーム戦は23勝4敗と圧倒。藤田HCは「ファンの皆さんの声援やホームゲームの空気が手助けしてくれた」とブースターに感謝。レギュラーシーズンから続く連勝は「9」に伸びた。第2戦に向けバーレルは、「大事なことは『仙台89ERSのバスケット』をもう40分間繰り広げること。自分たちのバスケットをしっかり40分間続ければ、どのチームも自分たちについてこれないと強く信じている」と奮い立つ。連勝街道はB1まで続いている。【濱本神威】