中学2年生が「ミラノの星」を目指す。フィギュアスケート女子で21年全日本ジュニア選手権7位の中井亜美(14=MFアカデミー)が30日、未知なるポテンシャルを披露した。関空アイスアリーナ(大阪・泉佐野市)で全日本ジュニア合宿の公開練習に参加。フリー「ミス・サイゴン」をかけた通しでは、冒頭でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に成功。2度目の通しでも3回転半に3回転トーループをつけ「4回転もトーループとルッツを練習している」と明かした。

目を見張るのは3回転半の安定感だ。憧れの浅田真央さんの踏み切りを参考にした大技は「確率が上がってきている」と自信がある。新潟市出身で中1からは千葉・船橋市のリンクを拠点に活動。今季はジュニアグランプリ(GP)シリーズデビューが決まっており、まずは第3戦ラトビア大会(9月7~10日)で「表彰台に乗りたい」と誓う。

その先には26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪が見える。前年の7月1日までに15歳に達することが条件だった年齢制限は17歳に引き上げられるが、25年4月に17歳となる中井は「出られる年齢。そこはしっかりと考えたい。五輪で自分もメダルを取りたい」。夢舞台へ、弾みをつける1年が始まる。【松本航】

◆中井亜美(なかい・あみ)2008年(平20)4月27日、新潟市生まれ。中庭健介コーチに師事し、昨季はジュニアからの推薦で全日本選手権初出場。ショートプログラム(SP)27位でフリーに進めず。今年3月のプランタン杯で3回転半に成功し、合計182・41点で優勝。今季はSP「アイ・ガット・リズム」(鈴木明子氏振り付け)、フリー「ミス・サイゴン」(宮本賢二氏振り付け)。趣味はダンス。143センチ。