日本テニス協会は18日、オンラインで会見を開き、23年1月からの女子国別対抗戦ビリー・ジーン・キング・カップ(BJK杯)の日本代表監督に杉山愛さん(47)、男子国別対抗戦デビスカップ(デビス杯)の同代表監督に添田豪(37)を選んだと発表した。任期は4年。ともに初監督となる。

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男女ともにサプライズ人事だった。特に、杉山さんは、自身のクラブでのジュニア育成、自身の名前を冠したジュニア国際大会設立、テレビ出演などで多忙。加えて、昨年の7月に46歳で第2子の長女を出産したばかり。長男もまだ7歳で、2児の母として、当初は打診を断ったという。

しかし、現女子代表監督の土橋登志久強化本部長から、「グローバルな視点で、世界のトップで活躍した経験を、若い選手に注ぎ込んでほしい」という熱いエールを送られた。その熱意にほだされ、最後は快諾したという。

現役時代、自己最高位はシングルスが世界8位、ダブルスは1位に輝いた日本が誇る歴代最高のオールラウンド選手だった。「代表として、かけがえのない経験をしてきた。少しでも若い選手の背中を押してあげたい」。英語も問題なく、杉山新監督の国際感覚は、世界でも大きな武器となる。

注目のひとつは、4大大会4度の優勝を誇る大坂なおみへの対応だ。「彼女の気持ちを尊重し、出てくれたら大きな力になる。交渉していきたい」と、大坂の代表復帰も視野に入れ、杉山監督自身が交渉にも乗り出す考えだ。【吉松忠弘】

◆杉山愛(すぎやま・あい)1975年(昭50)7月5日、横浜市生まれ。ツアー通算シングルス6勝、ダブルス38勝。4大大会シングルスでは00年全豪、04年ウィンブルドンで8強入り。同ダブルスは全豪を除き、4大大会3大会で優勝した。4大大会シングルス本戦連続出場62回は、当時のギネス記録。09年9月に引退。11年11月に結婚し、現在は2児の母。BJK杯シングルス出場30試合は、日本歴代最多タイ。