世界ランキング21位の西本拳太(28=ジェイテクト)が、同ランキング6位の周天成(台湾)を破り、国際大会初優勝を果たした。

「ほっとしました」

初の頂に立った感想は「うれしい」よりも安堵(あんど)の気持ちが上回った。92分にわたる熱戦を制した西本は、とびきりの笑顔を見せた。

21-19、21-23、21-17で勝利をつかんだ。第1ゲームは立ち上がりから6連続ポイントで大差をつけたが、20-13から6連続失点で1点差に迫られた。それでも、最後はスマッシュを打ち込んで得点。気持ちの強さを見せた。

第2ゲーム以降も、粘り強く戦い続け、接戦の末に2-1で勝利した。

「ランキング上の選手と勝負ができるということは自分の中で実感はあったんですけど。勝ちきることができたのは自分の成長だと感じています」

西本は、今大会準々決勝で、桃田賢斗を倒したチコ・ワルドヨ(インドネシア)を2-1で、準決勝では世界ランキング3位のアンス・アントンセン(デンマーク)を2-0で破り、決勝進出を決めていた。

「人として成長できたことがこの勝利につながったかなと思います。いくら勝ちたい、勝ちたいという気持ちがあっても、自分がやるべきことをやれない限りは勝てないというのを痛いほど感じてきたので。それができたからこその初優勝だったと思います」

相手の強い攻撃にも屈さずに粘り強く戦い続け、念願の大会王者に輝いた。それでも、パリ五輪へ向けてさらに上を目指す。

「こうすれば勝てるんだっていうプレーを確立するためにも1試合1試合、1球1球を大事にしていきたいと思います」

西本の全盛期はこれからだ。【竹本穂乃加】