GPシリーズ参戦4季目を迎える横井ゆは菜(22=中京大)は、「誇りと感謝」を胸に臨む。

練習後、今大会で大事にしたい事として、1つの心境の変化を明かした。

「もちろん足りない部分もあると思うんですけど、ここに来られたのはやっぱり、自分の積み重ねでもあると思うので。自分のやってきたことの積み重ねだと思うので、それに誇りを持つ事と、あとここに立てていることに感謝をして、そういった気持ちで臨めば、あんまり追い込まれずにできるかなと思う」。

昨年までは違った。大舞台にマイナスな心理が働いた。「こんなにすてきな試合に出させてもらってるのに、自分は…」。できないことだけに心が縛られ、苦しさが占めた。

この日、萎縮とは無縁だった。「良かったところはジャンプの失敗に自分の気持ちが左右されなかったところ」。今までやってきた事を信じるように、3回転ループなどに精力的に取り組んだ。曲かけでは代名詞の豊かな表現力を示すように、朗らかな表情までしっかり滑りの中に落とし込んだ。連続技の2本目にループをかけるなど、少しでも得点を積みあげようと腐心する姿もあった。

「劣等感だったりとかを抱かずに、いま自分がここの大会に出られてるってことを楽しんで、最後までやりきるってことが目標です」。その声は自信に満ちていた。(ミシソーガ=阿部健吾)