GPファイナル初出場の山本草太(22=中京大)が、憧れのトリノでの飛躍を誓った。

公式練習ではフリーの曲をかけての通しでサルコー1本、トーループ2本の4回転を着氷。充実した表情で調整を終えて「(06年)トリノ五輪が開催された会場。僕がスケートを始めたきっかけになる試合でもあったので、その地で滑れたことが、まず楽しかった。本当に充実した時間だったと思う。明日からも思い切ってやっていけたらと思っています」と8日(日本時間9日)のショートプログラム(SP)を見据えた。

6歳だった06年、スケートファンだった母と見ていた五輪で印象的な場面があった。男子の表彰式。ロシアのエフゲニー・プルシェンコが金メダルをかける姿を見て「僕、やりたい! この金メダル欲しい!」と言った。その舞台にGPシリーズ2戦の上位6人だけが得る出場権を手にし、導かれるようにやってきた。

この日、会場内の五輪マークを写真に収め、スマートフォンのアルバムに保存した。思いは力になる。

「万全の状態でいると思います。挑戦者という立場で、僕は思い切ってやるだけかなと思います」

大舞台を楽しみ、力を出し尽くす。(トリノ=松本航)