世界選手権で2度の優勝を誇る安藤美姫さん(35)がインタビューに応じ、初の世界大会でコーチとして帯同する心境を語った。

現役引退をした13-14年シーズンにコーチを努めてくれたバルテル・リッツォ氏の息子のマッテオ・リッツォのコーチとして、イタリア代表で参加する。

-経緯について

マッテオのお父様が私の最後の年のコーチで、ジュニアの頃から知ってるんですけれども、お世話になったっていうのがあって。今回マッテオのメインのコーチが来れなくて、で、急きょ。マッテオはコーチいた方がいいからって。ご連絡をはいいただいて。

-いまは立場としては

一応くくりとしてはプロスケーターでアナウンスはしてるんですけれども。コーチングもしてたり、振り付けもしてたりで。でも、メインはプロスケーターとして活動させてもらってます。

-どんな声かけを

もう、マッテオもベテランの域に達している選手なので、もちろん自分で調整はできるんですけれども、やっぱり外から自分がやってるのと、外からの目っていうのも違うっていうのも、本人もわかっているので。「どう?」って聞いた時に「こうなってるよ」って話してるぐらいな。本当に注意だけ、アドバイスだけで。でも時差もあったりとか、氷の状態もまだ柔らかいので。初日ということで、みんなもまだ滑り慣れてないので、タイミングはちょっといつもよりは外れてるぐらいなんですけど、朝より体も良かったりとか、あと氷も締まってくると思う。まあ、あんまり気にせず、朝より全然体動体も心配してないです。

-頼まれて立つことになり、思いは。

現役の時もそうだったんですけど、例えば、そのオリンピックだから特別とか、世界選手権だから別って思いを、選手の頃からもやってなくて。やっぱ出場させていただく試合は1つ1つが大事ですし、同じ気持ちで、その時の自分のベストを尽くすっていう気持ちでやってたので。今回のコーチングも同じなんですけど、例えばローカル試合の子供たちに立ってって言われた時も、大庭雅選手の全日本の時も同じように、やっぱりそこで輝くのって選手だと思うし、最終的に自分の輝く場所で輝けるようにする、私たちバックグラウンドのやっぱりサポートしていく立場なので、なんか自分はこの試合だから特別な思いっていうよりは、その時その時、目の前に携わらせていただいてる選手がとにかく気持ちを強く持ってリンクで滑れるようにサポートしたいっていう気持ちでやってるので。あんまり、今回も皆さんが国際試合でって言われるんですけど、確かになって感じなので。

-気持ち的にはブロック試合などと変わらない

そうですね、その選手が必要と思って、多分声がけをしてくれてたりとか、自分に習いたいと思って声掛けをして下さっていると思うので。選手のレベル関係なく、同じスケータとして1選手をサポートして。多分みんなよりは経験もさせていただいてますし、いろんなアドバイスもできると思っているので、そういうところを早いうちにアドバイスして、みんなの心に響けばいいかな。自分が19歳以降に教わったこと、感じたことを、まだ10代、それよりも下の子供たちに、意味はわかんなくても、言葉で伝えてあげることで、いつか気づきがあると思うんで、それは早い方がやっぱり選手にとってはいいかなと思うので。自分が経験したことを少しでも、後の世代、後輩たちに伝えてあげながら、サポートさせてもらったらいいなと思ってます。

-送り出す言葉などは

その時のやっぱり選手の空気感とか、その表情とか見て、あと練習内容とかにもよると思う。あんまりこれ言いますみたいなのはないですけど。イタリア語調べときますね(笑い)。いや、でも、なんか最終的にはやっぱりその自分らしく入れるように送り出したいと思うので、なんか、ここをこうしてっていうよりも、ポジティブな強い気持ちになれる空気感を作って送り出せたらいいなと。

-マッテオの印象は

マッテオはすごいイタリア人の血でなのか、すごい陽気というか、明るい性格ですし。でも、いいリラックスをしながら真剣に取り組む姿っていうのは、すごい大人になったなって思いますし。あと、パッション。いろんな曲に興味を持ったりとか、表現力もあの年々上がってきて。25歳ということで、やはりそのジュニアの時の初々しさっていうよりも大人っぽい男性っていう。そこに明日ショートで4回転が入っているので、技術的なことがはまってきたらいいなと。ただ、スピンがすごく嫌いで(笑い)すごい苦手だから、1番がんばれって思っているんですけど、かわいい一面もありますね。