バレーボール男子日本代表が、ネーションズリーグ(VNL)で開幕から負けなしの9連勝と突っ走っている。4日に行われたフィリピン・パサイシティでの予選ラウンド(R)中国戦をフルセットで制し、ファイナルR進出も決めた。好調な攻撃陣に注目が集まるが、職人技で屋台骨を支えているのが守備専門のリベロ山本智大(28)。サーブレシーブ以外のレシーブを指すディグ部門ランキングで全体1位(4日時点)に入るなど、活躍が光る。ブラン監督からの信頼も厚い守護神抜きでは、今の龍神NIPPONは語れない。
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身長171センチの小兵山本が、平均身長2メートルに迫る中国の高さを乗り越えるキーマンになった。セットカウント0-1で迎えた第2セット(S)。セットポイントを握りながら8連続失点で失った第1Sの重苦しさを振り払うように、全身でスパイクに食らい付いた。粘り強いディグからスパイクにつなげ、終盤には自らレシーブエースも決めて1-1のタイに。最終Sでは、マッチポイントから難しいサーブをきっちりレシーブ。宮浦のバックアタックに結び付けた。高さでは劣る日本の生命線=レシーブの安定性を体現し、逆転勝利に導いた。
全体首位160得点を誇る石川ら攻撃陣に注目が集まりがちだが、連勝の陰の立役者といえる。ここまで全9試合でスタメン出場。強烈なスパイクにも微動だにしない体幹の強さで堅守を連発する。ブラン監督から「世界一のリベロと言っても過言ではない」と評される全幅の信頼は、今VNLのディグランキング全体1位という数字に、しっかり表れる。公式戦30年ぶり勝利のブラジル戦後に「『絶対落とさない』『負けない』という気持ちで拾えた」と振り返った強心臓も光る。
19年に初めて代表入りし、W杯や東京五輪など大舞台を経験。所属するVリーグ堺では不動のレギュラーとして昨季のベスト4入りに貢献した。経験豊富な28歳の信条は、“苦しい場面でこそ笑顔”。「若い選手には思い切ってプレーしてほしいので。やりやすい環境を僕が作ってあげたい」と、代表の兄貴役を買って出る。目標のベスト4へ向けて正念場となる7日オランダからイタリア、ポーランドと続く強豪3連戦。日本には、小さな大黒柱がいる。【勝部晃多】
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