【アンジェ(フランス)=松本愛香通信員】故障のため2季ぶりのGPシリーズとなった鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)が3位に食い込み、シリーズ2戦上位6人のファイナル(12月、北京)進出へ意欲をにじませた。

フリーは4位の175・23点となり、合計273・14点。優勝したシャオイムファ(フランス)、2位のマリニン(米国)はともに300点を超えており「(SPとフリー)両方をそろえられるトップのスケーターはすごい。僕も、もっともっと安心して見ていられるような選手になりたいです」と思いを口にした。

前日のSPで3位発進し「どうしても表彰台を意識してしまう部分もあった」と迎えたこの日。冒頭の4回転サルコーは出来栄え点(GOE)で3・88点、続く4回転トーループからの3連続ジャンプも3・26点と高い加点を得た。順調に滑り出したが、跳ぶまでの軌道で内側に入ったトリプルアクセル(3回転半)が1回転半となるミス。終盤はジャンプの着氷をこらえる場面もあり、今後に伸びしろを残す出来となった。

それでも3つのスピンとステップは最高のレベル4とし、演技構成点の「スケーティングスキル」も9・11点(10点満点)と土台は確かだ。次戦は最終戦のNHK杯(24~26日、大阪)となり、ファイナル進出も射程圏内。出場権を手にしていた21年はコロナ禍で中止となっており、初の舞台を目指したい思いは強い。

「中止になってしまった前回は仕方がないと思います。今年は自分の実力でまたファイナルの舞台に立てるように頑張りたいと思っているので、そこらへんはポジティブにいきたいと思います」

フランスの地で国際舞台で戦えることを証明し、22年北京五輪(オリンピック)の銀メダリストはさらに成長を続ける。