3年ぶり6回目出場の北海道科学大高は、元コンサドーレ札幌のMFビジュ氏(49)の長男・佐藤レニ海(2年)が、チーム最多の14点を挙げる活躍を見せるも、初戦で敗退した。

22-24と、最大5点差から2点差まで追い上げて迎えた第2セットの高知のマッチポイント。佐藤の強いサーブはネットにかかり、試合が終わった。直後に、涙がこぼれ落ちた。「自分のサーブミスで試合が終わったのと、試合に出られなかった3年生のことを思うと…」と声をつまらせた。

ブラジルからの助っ人外国人として札幌のボランチで活躍、建設業の仕事が忙しく、この日は試合に駆けつけられなかった父には、遠征前に「がんばってこいよ!」と優しく送り出された。辻克典監督(36)は「全国大会で初のオポジットのポジション。いいスパイクもあったし、来年が楽しみ」と、期待を寄せた。

国公立大学への入学を希望、大学入学共通テストを9日後に控えながら試合に出場した淀川龍正主将(3年)も「今年は、2年生中心のチーム。来年は僕たちの分まで勝ってもらえるはず」と、後輩に後を託し、笑顔でコートを後にした。佐藤は「来年も期待されていると思うので、まずは過去最高のベスト16、そしてベスト4。いや、まずは1回勝つこと」と話した。父譲りの運動能力をさらに磨き、ネクストイヤーに挑む。【中島洋尚】